旅が教えてくれたのは、 日常のくらしを豊かにするヒント。

※パナソニック株式会社様発行の、お客様向け情報誌に特集インタビュー頂いた記事を掲載しております。
世界一周旅行が家族の絆をさらに深めてくれた。
「働きながら3人の子どもを連れて世界一周をする決断は簡単ではありませんでした」会社勤めの夫にダウン症の長男、下の子はまだオムツで移動も大変。行けない言い訳はたくさん思いついたという。「今が行くときだと思えたのは『家族5人で世界一周旅行がしたい』という長女の一言でした。いつか叶えたい夫婦の夢だと考えていましたが、娘のやってみたい!という気持ちを尊重したい想いが決め手になりました」
それまで仕事中心だったご主人は、初めて育休を取得して子育てに向き合い、オンラインで仕事ができる戸田さんは働きながら世界を回ることに。立場が逆転したことで、お互いの悩みや考えに気づくことができたという。「仕事が忙しく子どもたちと過ごす時間がほとんどなかった主人ですが、この旅で子どもたちからの評価もぐんと上がったんですよ(笑)」海外という非日常の環境で「家事・育児・仕事」という日常を過ごしたことが、夫婦・親子の関係性をさらに深める時間となったようだ。
「くらすように旅する」ことで見えたもの。
また、障害があり話すことが苦手だと思っていた長男は、ジェスチャーやパッションで想いを伝えるのが誰よりも得意ということを発見。言語が伝わらない海外でたくさんの友達ができました。その姿を見て、親が子どもの限界を決めつけてしまっていたのかもしれないと気づきました」旅は見たことのない景色や異なる文化を知るだけでなく、見過ごしていた日常に目を向け、新たな価値観を生み出すことにもつながるのかもしれない。
海外と日本の子どもたちをオンラインでつなぐ可能性。
オンラインでカンボジアの子どもたちと文化交流。
世界中で友の輪が広がる楽しさを子どもたちが知る機会に。
戸田さんは現在、海外と日本の子どもたちをオンラインでつなぎ、海外への関心を持ってもらうためのスクールや英会話レッスンを行っている。コロナ禍により実際に訪れることが難しくなった今、海外との交流を続けることは子どもたちにとってどんな影響を与えるのだろうか。「オンラインを使うと場所と人ではなく、人と人が出会うことができるんです。今まで海外を想像した時に景色や有名な場所が思い浮かんでいたのが、あの友達がいる場所に変わる。そうすることでお互いの国や文化に興味を持ち、自然に多様性を理解し受け入れられるようになるのではないでしょうか」
オンラインを使って海外の美しい風景や観光地に訪れることが容易になった現在。さらに一歩踏み込み、その国の人や、文化とつながることが日々のくらしをさらに豊かにしてくれるかもしれない。
「私も子どもたちも、オンラインを通して世界中に友達ができました。次はみんなに会いに行きたいねと話しているんです。実際に行けるようになったときには、これまでと違う視点で旅ができるんじゃないかと今から楽しみです」
Profile戸田愛さん
「旅を通して人と学びを繋ぐ」をコンセプトにした旅行会社、とことこあーす株式会社代表取締役。
NPO法人リスタート・トラベル代表理事。